お客様対応をする上で、避けては通れないもの。それがクレーム対応です。
今回は、ECでも一番係わり合いの深い、
【 コールセンターにおけるクレーム対応 】について、
掘り下げてみたいと思います!
そもそも「クレーム/claim」という英単語の意味は、
「(権利などを)主張する」「請求する」といったような意味合いであって、
決して日本語の「クレーム」という言葉から感じるような
「苦情」や「不満の指摘」といった意味合いの言葉ではありません。
◇ コールセンターのクレーム(電話対応)で一番難しい点といえば・・・? ◇
コールセンターでのクレーム対応における、一番の難点であり最大の問題は、
「声だけ」のコミュニケーションで、解決を目指さなければならないという点です。
メラビアンの法則(3Vの法則)という有名な法則があります。
(右図参照)
これはアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが1971年に提唱した法則で、声の印象から「maybe(かもしれない)」といった文章がどの程度「そうかもしれない」と感じられるかを判断する実験で、
“力強い口調の場合は普通の口調よりも、「そうかもしれない」と感じたと”いうことが立証できた実験だと言われています。
さらにこの法則では、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかという点に関し、
「Verbal:話の内容などの言語情報が7%」
「Voice:口調や話の早さなどの聴覚情報が38%」
「Visual:見た目などの視覚情報が55%」
という結果が出ています。
つまりこの4割に満たないパーセンテージの中でのコミュニケーションが求められるのが電話対応というわけですから、電話でのクレーム対応は難問といえば難問です。
とはいえ、まったく取り付く島がないわけでもありません。
次は、おおまかな流れとポイントを確認していきましょう。
◇ クレーム対応の流れとポイントって・・・? ◇
1)お客様の怒りや不満点を「お詫び」で受け止める。
2)お客様の視点で「共感を持った態度」で内容をおうかがいする。
3)内容をヒアリングしながら、お客様が落ち着かれた時点で
時系列も含めた状況把握につとめる。
4)お客様の疑問点については説明をし、
不満点に関しては提案を行い解決策を講じる。
5)問題解決後、クローズトークの際に謝意をのべる。
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1)お客様の怒りや不満点を「お詫び」で受け止める
こちらに落ち度がない場合にもお詫びの言葉をのべます。
ただし、
「こちらの非を100%認めてのお詫び」
と
「内容の事実関係が確認できるまで、お客様の正当性を認めるのではなく
”お客様の怒りを招いた”という事実に対しての謝罪」
を使いわけます。
後者の場合はお詫びの言葉の前半に、
「ご迷惑をおかけして、大変申し訳ございません」
「お手数をおかけいたしまして、大変申し訳ございません」
等の表現を付け加えて使います。
2)お客様の視点で「共感を持った態度」で内容をおうかがいする。
真摯な態度でお客様のお話に耳を傾けます。
心理学的にも真剣な態度で主張を受け止めることは、
相手の怒りを沈める方法として有効です。
3)内容をヒアリングしながら、お客様が落ち着かれた時点で状況把握につとめる。
5W(Who/What/When/Where/Why)3H(How many/How much/How to)を基本にヒアリングしていきます。また、時系列の整理も同時に行いましょう。
4)お客様の疑問点について説明をし、不満点に関し提案を行い解決策を講じる。
提案時の基本は「依頼系」にしましょう。
「お待ちください」等の言い切り型ではなく「お待ちいただけませんでしょうか?」と否定形にします。
使ってしまいがちですが、「お待ちください(ませ)」は命令形を丁寧にした言葉ですので注意しましょう。
5)問題解決後、クローズトークの際には謝意をのべる。
「貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。
今後このようなことがないよう、十分注意してまいります」等にプラスして、
「またお気づきの点がございましたら、
なんなりとご指摘いただければと存じます」等をつけ加えるとベストです。
また、クレーム対応の際には、
通常対応以上にお客様に対する言葉遣いに細心の注意をはらう必要があります。
クッション言葉や言い回しを事前に確認しておきましょう。
◇ クッション言葉を上手く使えるようになる! ◇
クッション言葉とは、単刀直入には言いにくいこともソフトな印象を与えつつ、言いたいことをやんわりと伝えることができたり、相手の気分を害することを避けることができる言い回しのことです。いくつか例を見てみましょう。
【 尋ねる・依頼する 】
・「申し訳ございませんが」
・「恐れ入りますが」
・「恐縮でございますが」
・「お手数をおかけいたしますが」
・「ご面倒をおかけいたしますが」
・「お差し支えなければ」
・「ご足労をおかけしますが」
・「もしよろしければ」
【 依頼された内容に、承知できない場合の基本形 】
・「せっかくですが」
・「あいにく」
・「ご容赦ください」
・「いたしかねます/できかねます」
・「お役に立てなくて申し訳ございません」
反対に常日頃もそうですが、クレーム対応時に使うべきではない言い回しも存在します。
【 “上から目線”の印象を抱きかねない言葉 】
・「事務処理上」
・「基本的に」
・「原則として」
・「一般的には」
・「ですから…」
・「つまり…」
【 あいまいな印象を与える言葉 】
・「おそらく」
・「もしかすると」
・「たぶん」
・「とりあえず」
・「~のはず」
・「だと思います」
お客様に不快感を与える原因にもなりますので、
曖昧な表現は極力避けるようにしましょう!
例えば「そのようにさせていただこうと思います」ではなく、
「そのようにさせていただきます」と言い切るだけでも印象は違ってきます。
また、当然ながら専門用語、社内用語の使用もNGです。
平易なことばに置き換えることに慣れておきましょう。
◇ 声のトーンにメリハリをつける ◇
前述のメラビアンの法則の通り、声だけでのコミュニケーションになるわけですから淡々とした語り口ではなく
電話応対中、「声のトーンにメリハリをつける」ということも重要になってきます。
声のトーンの高低にかかわらず、声のトーンにメリハリをつけるだけで、
相手に与える印象は格段によくなります。
具体的なメリハリ(声の表情)の付け方には以下のような方法があります。
1)声の強弱、話のスピードに抑揚をつける方法
2)句読点の箇所でわかりやすく区切って話す方法
声だけのコミュニケーションですので、通常の会話よりも「わかりやすいメリハリ」
「わかりやすい抑揚」を心がけて対応にのぞむとより効果的です。
ざっと簡単にではありますが、クレーム対応の大きな流れとポイントについて
ご説明させていただきました。
クレーム対応と聞くとつい身構えてしまいがちですが、
実際のクレーム対応が非常に好印象だったためにリピーターになっていただけたり、
顧客満足度の向上に繋がったりと、クレームの発生というのは裏を返せばチャンスとも捉えられます。
常日頃の電話対応で培ったスキルをフル活用できる案件として、
また自身の成長のチャンスとして、前向きに対応していきましょう。
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