ロジックボム(爆弾)とは
サイバー攻撃などに用いられるコンピュータウイルスの一種で、
対象のコンピュータの内部に潜伏し、
あらかじめ設定された条件が満たされる(指定の日時になるなど)と起動して破壊活動などを行うものです。
コンピュータに仕掛けられた論理的な時限爆弾、という意味でこのように呼ばれます。
論理爆弾は対象のコンピュータに自身の複製を記録(感染)し、
常にあるいは一定間隔で起動状態になるようOSの設定などを不正に書き換えます。
感染時点では何もせずに潜伏しており、
ウイルス作成者が指定した条件が満たされると行動を開始し、
あらかじめ設定された破壊活動などを実行します。
例えば、ある日時になったら起動して、
コンピュータの記憶装置の内容をすべて抹消する、といった動作をします。
大規模なサイバーテロ事件で論理爆弾が利用されたと思われる事例がいくつかあります。
ウイルスやワームなどにもこの機能を備えているものがありまして、
中でも「チェルノブイリ」というロジックボムは非常に有名です。
この「チェルノブイリ」は台湾で作成されたウイルスの一種で、
旧ソ連のチェルノブイリ原発事故があった4月26日に作動するようにプログラムされていたことから、
このように名付けられました。感染手法はウイルスそのもので、
Windowsの実行形式ファイルに感染して広がりました。
作成された台湾はもちろんのこと、韓国などで大きな被害をもたらしたことで一躍有名になりました。
ロジック爆弾ところで、ロジックボムにはウイルスやワームとは違う1つの特徴があります。
多くのウイルスやワームは感染したパソコン上で悪事を働きますが、
あまりやり過ぎてパソコンのシステムそのものに損傷を与えると、
ウイルスやワームと言ったプログラム自身も活動ができなくなります。
そのため、あくまでも狙われるデータは個人情報などのデータになるのですが、
ロジックボムはまさに爆弾なので、このようなピンポイント攻撃ではありません。
設定されていた作動時刻になるとシステムそのものにまで破壊が及ぶため、
爆発した後はパソコン自体が起動しなくなることも多々あります。
自爆してまでも感染したパソコンに被害を与えるという、
とんでもない爆弾野郎がロジックボムなのです。