私が店長で、私がお客さん?
皆さんは「Etsy」というサイトをご存知ですか? 「Etsy」(エッツィー)は世界中のアーティストやクリエイター個人がハンドメイドの作品や絵画やアートなどを個人で販売するという、日本ではまだまだ染みの薄い、一風変わったマーケットプレイスです。
しかしながら、個人間のこぢんまりとしたやり取りを想像して侮るなかれ。「Etsy」の立ち上げは2005年。7年後の2012年にはユーザー数2,200万人と飛躍的に利用者を増やし、年間の売上高は8億9,510万ドルを記録してなお、ユーザー増加中の成長中のサービスです。
システムと特徴
システムとしての「Etsy」の利益は「1件の取引につき3~3.5%の手数料」と「1アイテム0.2ドルの出品料」だけで、初期費用や固定費用は必要ありません。安価で利用できるという点が、個人出品者が集まる理由のひとつなのかもしれません。
他のECサイトと比較して「Etsy」で特徴的なのが、売上上位に「商品」自体ではなくアクセサリー製作に使う材料やパーツなどを販売している店舗が多く存在することでしょう。「節約のため自作する」以外に「自作して出品する」という「出品者であり顧客」という図式が「Etsy」の特徴です。ちなみに「Etsy」では毎月100万を超えるアイテムが世界中から出品され、月間ページビューは10億PVにのぼるといいますから、ハンドメイド作品を出品する「作り手」というのは存外パワフルなものです。
では、材料以外には実際にどんなものがやりとりされているのかといえば、まずは「アクセサリー」や「洋服などの衣料品」「ウェディング用品」。意外なところで「インテリア」や「家具(ハンドメイドではなくヴィンテージ品など)」も多く取引きされているようです。
一口に「ハンドメイド作品」や「アート」と聞くと実際にどんなものが取り扱われているのかわかりにくいかもしれませんが、「衣・食・住」からはじまって一般の商店で入手可能なものならば大抵は入手可能です。
実際に商品を購入する際の決済方法ですが、「クレジットカード/銀行振込/ Paypal/ギフトカード」など複数の方法から選択可能だというのも利用者としては嬉しい利点です。(※日本国内からの利用の場合、現時点ではPaypalを利用することになります)
ユーザーの実態?
さて、それでは世界中のどんな人たちがEtsyを利用しているのでしょうか。左の図は国ごとの売上グラフです。アメリカとカナダに次いでイギリス、オーストラリア、中国、インドが続きます。
Etsyを利用しての購入が多かったのはアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア。その他はほぼ欧州のユーザーです。
さらに詳しくユーザー層を見ていくと、主要ユーザーは「18-34歳独身女性」であるようです。2009年の某月のデータを見ると「女性ユーザー:67% 男性ユーザー:33%」ということですので、出品者にも購入客にも成り得る年代の女性の利用率が高いことがわかります。
日本からの利用
本格的な日本上陸はまだですが、きちんと「円」利用者へのサポート対応はしてくれるため、日本国内からの利用も比較的容易です。サイトアクセス時に左のようなメッセージが表示されますので「OK」しておけば商品の価格は「円表記」に、商品検索をした際に検索されてくる商品も「日本発送可能」な商品に絞り込まれて表示されます。
もちろん、商品の価格設定や送料設定は各出品者裁量なので利用に際しては注意が必要ですし、出品者とのやりとりも日本語ではありませんが、実際に利用した感覚では「amazon.com」や「amazon.uk」とほぼ同じような感覚で利用できています。
「リングのサイズは大丈夫だった?」「チェーンの長さはこのままで大丈夫?」など、出品者というよりはアイテムの作者が直接声をかけてくれるのが嬉しかったりもします。
以前は国外に銀行口座を持っていないと利用できなかったPaypalがクレジットカードで利用可能になったことで、こういった海外のサービスを利用するための敷居は格段に低くなったようにも思います。
その他のハンドメイド系ECサイト
・Fab(ファブ) http://fab.com/
サイトの前身がユニークなデザイナーズ商品特化のECサイト。注文自体ではなく購入にあたっての電話サポートに積極的という珍しいタイプのECサイト。
・Pinkoi(ピンコイ) http://www.pinkoi.com/
「Pink(ピンク)」と日本語の「Koi(恋/来い)」から名付けられた台湾発のハンドメイド商品やデザイナーズ商品を提供しているECサイト。
日本国内にも「tetote」「minne」「Creema」「iichi」といったようなEtsy型のハンドメイドに特化したECサイトが続々とスタートしています。ライフエスコートでは、常にECサイトの動向を調査・観察し、ECサイトの運用に生かしてまいります。
■ライフエスコートのEC運用実録ファイルはこちら
http://life-escort.co.jp/contents/?cat=7
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