2007年、アップル社が米国で「iPhone(アイフォーン)」を発売し、翌年日本でもソフトバンクから発売されるや否や、あっという間に市場を拡大することとなったスマートフォン。
総務省がおこなった「平成27年度通信利用動向調査」によると、インターネットの利用動向において50代未満のすべての世代で、スマートフォンの利用がパソコンを上回る結果となっています。
発売当時、スマートフォンを用いてインターネットをすることが、パソコンでの利用を上回り主流となる、そんな未来が来ることを想像できた人がどれくらいいるでしょうか。
私自身にとっても日々の生活の中でスマートフォンの重要度は非常に高くなっており、
朝の目覚ましにはじまり、通勤時間の音楽鑑賞、寝る前のベッド上でのネットサーフィン
に至るまで、一日中手放すことのできない存在となっていることを実感します。
なかでも、ECサイトの利用に関して、最近では
スマートフォンを用いる機会も非常に多くなってきました。
1.ECサイト利用におけるスマートフォン利用率の拡大
MMD研究所の実施した「2016年ネットショッピングに関する調査」によりますと、
スマートフォンを所有する人を対象にした調査において、
ネットショッピングをする時に使用するデバイスでは、
スマートフォンが最多で66%近くにのぼっています。
前年の2015年と比較してもスマートフォンは数字を伸ばし、
反対にパソコンでの利用者は減少し3割を切っています。
この調査はスマートフォンを所有する人を対象にした調査ですので、
この結果をそのまますべての消費者の動向と判断するのは早計ですが、
スマートフォンが飛躍的に数字を伸ばしていることは間違いないでしょう。
スマートフォンのメリットはなんといっても、
そのポータブル性の高さにあります。
いつでもどこでもネットに接続できるという事は、
消費者の今欲しいという欲望にすぐに対応可能である
という事です。
家のパソコンで見た商品、TVで紹介されていた商品、
お店で見て気になっていた商品が、移動中の列車の中、食事中、散歩中など
さまざまなシチュエーションの中にあっても、思い立ったらすぐにスマートフォンで購入することが可能です。
この事は消費者にとって利便性が高いだけでなく、販売する側にとってもメリットが大きく、
コンバージョンの機会増ととらえることができるのです。
ECサイト運営においてスマートフォンサイトの存在が無視できないものとなっていることは、
以上でお分かりいただけたかと思います。
2.スマートフォンサイトを最適化するために
現在では、スマートフォン向けのページが用意されているのが普通になっていますが、
スマートフォンで見ているサイトとパソコン向けのサイトは違います。
画面サイズが大幅に異なる以上、パソコン版と全く同じページをスマートフォン上で表示してしまうと、ユーザーにとって非常に扱いにくいページになってしまいます。
そこでスマートフォンサイトのページはたんにパソコン版をサイズダウンしただけでなく、スマートフォンの画面に合わせたレイアウトに改めて組み直すことが必要になってきます。
当社では以下のような取り組みにてスマートフォンサイトの最適化を図っております。
・スマートフォン上の小さな画面でも読みやすいよう、
本文のフォントサイズを13~16pxで指定する。
・パソコン版の複雑なカラムを見直し、基本は1カラム、
商品を並べて見せる場合でもなるべく3カラム以内にして
スマートフォンでも見やすいレイアウトに再構成する。
この際カラム幅の合計を100%で指定してしまうと、
画面サイズの横幅が狭いスマートフォンでは
カラム落ちしてしまうことがあるため、
必ず複数の検証機でチェックし、
調整することを徹底しております。
・クリックしやすいリンクボタン幅の調整
スマートフォンでは指先でタップするため、
パソコンのマウスポインタのように小さな領域でも正確に選択できるわけではありません。
そのためユーザーの誤操作を招かないよう、
ある程度広い範囲をカバーするボタンを作成する必要があります。
・メニュー表示の工夫
スマートフォンでは表示できる情報量が非常に限られていますので、
一覧式メニューも常時表示させるのではなく、
アコーディオンメニュー方式を採用するなどの工夫が必要です。
また、片手でスマートフォンを握った状態でも、
タップしやすい位置にフローティングバナーを設置するなど、
ユーザビリティを損なわないサイト作りを常に心がけています。
3.サイト更新時における検証の重要性
また、一口にスマートフォンと言っても各端末により
その画面サイズ、表示形式も微妙に異なっております。
iOSではきれいに表示されたものが、Androidで見るとレイアウトが崩れてしまっていたり、
文字や画像の表示がおかしかったりといったことが起こりうるのです。
もちろんすべての機種で検証を行うことなど不可能ですが、
サイト更新にあたり、当社ではパソコン上の疑似的なスマートフォン閲覧環境で
テストを行った後、複数台の実機を用いて各担当者による細かいチェックを
徹底して行っております。
これは地味で非常に時間のかかる作業ですが、このプロセスはユーザー目線の操作性と、
ユーザーに正しい情報をお届けする上で決して欠かすことのできない
非常に重要な作業となります。
最初に書いたように、今後も全く新しい形のデバイスが突如登場して、
市場を席巻する可能性はもちろんあります。
ただ、しばらくはこのスマートフォンが消費者の使用するデバイスの
中心となることは間違いないでしょう。
ECサイトというのは常に商品の出入りもありますし、
トレンドの移り変わりや、新しい技術の適用などにも対応する必要があるため、
決して完成した形にはならない適応進化する生き物のようなものです。
ゆえにユーザー目線で各デバイスのサイトを最適化していく努力に
決して終わりはありません。
ライフエスコートでは、御社のご要望に合わせたECサイト構築、
最適化のご相談をメールにて受け付けております。
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