今では大半のWebサービスがログイン制になっており、サービスを利用するためにIDとパスワードを入力する必要が増えてきました。
ただ、利用するサービスが増えるに連れて、IDとパスワードを管理する事は、ユーザーにとって非常に面倒です。特に頻繁に利用しないサービスでは、誰しもが「メールアドレス、またはパスワードを忘れた」という経験をした事があるのではないでしょうか。
しかし、これを簡略化してくれる「ソーシャルログイン」という機能があります。
ソーシャルログインとは、使い慣れたソーシャルネットワークサービスのアカウントを利用して、Webサービスにログインできる機能です。
そんな手軽で便利なサービスですが、ユーザー側のメリットと、サービス提供者側の視点から注意すべき点を紹介したいと思います。
現在主流なソーシャルログインサービスは、Yahoo!JAPAN、LINE、facebook、twitter、google+、Amazonなどがあり、加えて最近ではAmazonPayや楽天ペイなどの決済サービスも提供されており、ソーシャルログインは進化し続けています。
(ソーシャルログイン機能実装例)
ユーザーが得られるメリットとして、各ソーシャルメディアのアカウント情報を利用し、会員登録・ログインにおける自社サイト来訪ユーザーの手間を省ける。
また、上記によりスマホや様々なデバイスにおけるユーザビリティを向上させ、サイト内での離脱率の改善、ログイン率、コンバージョン率をUPする事ができます。
具体的には主に次の3点です。
①会員登録時に登録フォームの情報を埋めてくれる
②再ログイン時に使い慣れたID/パスワードでログインできる
③二段階認証を利用できる
ある通販サイトでは、ソーシャルログイン機能を導入後、以下のように改善されたとの事例があります。
<新規会員登録>
ソーシャルログインリリース後、スマートフォンでは新規会員登録CVR(注1)が138%向上
<商品購入時のCVR>
非ソーシャルログインと比較して、PCでは1.4倍、スマートフォンでは1.3倍増加
<商品購入時の入力画面>
非ソーシャルログインと比較して、滞在時間は42%短縮、離脱率は26%改善
(注1)Conversion Rate(コンバージョンレート)の略で、Webサイトへのアクセス数のうち、商品購入や会員登録などに至った割合です。
大手の通販サイトのZOZOTOWN(ゾゾタウン)やSHOPLIST(ショップリスト)も同様に、ソーシャルログイン機能の導入によって利用数や、会員登録・商品購入のCVRが増加しています。
ここでサービス提供側として注意があります。それは、①会員登録時に登録フォームの情報を埋めてくれるというのは、お客様の情報を取得できるのではなく、お客様の入力時の手間を省けるのと、次回以降の再ログイン時にボタン一つでログインができるという事です。
大前提として、この事を理解したうえで導入を進めなければ、「せっかくコストをかけて導入したのにお客様情報としてニックネームしか取得できなかった、導入した意味があるのか」という事態に陥ってしまいます。
ではなぜそのような事態に陥ってしまうのか、事例を挙げて紹介いたします。
例えば下記の入力項目で会員登録を行うAというサイトがあり、今回はこのサイトにLINE、Facebook、Twitter3つのソーシャルログイン機能を追加するとします。
しかし、導入するにあたり、各ソーシャルサービスからの提供項目は、下記の2項目だけでした。
LINEの提供項目:メールアドレス、ニックネーム
twitterの提供項目:メールアドレス、ニックネーム
facebookの提供項目:メールアドレス、ニックネーム
サイトAの担当者は、事前に提供されるユーザー項目を調査したつもりでした。LINEやtwitterは匿名性もあり、元々ユーザー情報を登録する項目が少ない為、メールアドレスとニックネームだけである事は想定しておりました。しかし、facebookに関しては全入力項目を提供されると思っておりました。
実はfacebookに関しては以下の理由で性別と生年月日の提供が制限されています。
・性別の取得について
性別によって表示されるコンテンツが変わる(男性には男性向け商品を、女性には女性向け商品を表示)仕組みがある。性別に基づいて表示内容に差が無い場合は許可されない。
・生年月日の取得について
生年月日によって表示されるコンテンツが変わる(大人には大人向け商品を、子供には子供向け商品を表示)仕組みがある。生年月日に基づいて表示内容に差が無い場合は許可されません。
このように、より広告要素の強いサイトでないと許可されないサービスもあり、この審査基準は急に変更される可能性があります。
以前は審査基準に引っかからなかった場合でも申請するタイミングによって変わってきますので注意が必要です。
では、結果的に3サービスともメールアドレス、ニックネームの2項目しか提供されない場合、サイトAはなぜソーシャルログイン機能を導入するのでしょうか。
それは、ユーザーが一度ソーシャルログイン機能を利用してログインをし、企業側がそのログイン情報を取得してユーザーへメールマガジンの配信などアクションを起こせる場合、メールマーケティングを行えます。
このような観点から、企業側は実施するメリットが大いにあると言えます。
また、より会員登録率を高めるには、ソーシャルログインに対応することに加えて、会員登録フォームで取得する情報を必要最低限にとどめることがポイントです。
特にスマートフォンの小さな画面では、PCと比べてフォームの入力に手間がかかります。クリック/タップ操作だけで登録できるようにしたり、入力項目を少なくしたりするなど、ユーザーのストレスを減らす工夫をすることで会員登録が完了する確立が高まります。
初回の会員登録さえ完了すれば、その後のメールマガジン配信など継続的なアプローチが可能になるので、まずは会員登録のハードルを極力下げ、ユーザーとの接点を持つことに注力することが大切です。
特に「会員登録時の離脱率を減らす」「再訪率を上げる」という点から、今後ソーシャルログイン導入のニーズは高くなります。
ソーシャルログインを利用する企業の中には、新規会員登録率が大幅に上がった、またはソーシャルログイン経由で登録したユーザーの再訪率が倍増したといった事例を耳にします。
自社サービスは、どのソーシャルサービスと相性が良いか、提供情報とのマッチング、ユーザー属性など事前に調査を行ったうえで、導入する事をおすすめします。
しかし、ユーザーと企業それぞれにとってメリットの多いソーシャルログインですが、実際に導入を検討する上では考慮しておくべきデメリットもあります。
それは、ソーシャルログイン導入と共に会員登録やログインの導線設計をしっかり行わないと、かえってユーザーを混乱させてしまいます。ユーザーは基本的に、会員登録やログインが楽にできることを期待してソーシャルログインを利用します。そこで、新規会員登録フォームの入力項目が多すぎたり、登録やログインのフローが複雑なものになっていたりすると、ソーシャルログインに対応していても離脱率が改善されにくくなってしまいます。その結果、せっかくソーシャルログインを導入したのに、会員登録数の増加に十分な効果を発揮できない、ということにもなりかねません。
また、SNSサービスから要求されるAPI(注2)バージョンが変わるなどの定期的な仕様変更があるため、都度プログラムのバージョンアップが必要になります。
継続的なメンテナンスコストの発生も考慮したうえで導入の検討が必要になってきます。
(注2)ApplicationProgrammingInterface(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)」の略で、ある1つの機能に特化したプログラムで共有可能なものやソフトウェアの機能を共有する仕組みの事。
ソーシャルログインは、自社のWebサイトやサービス向上にあたり、注目を集めるようになりました。
特にLINEログインについては、ユーザーの会員IDとLINEアカウントのID連携を行うことで、企業とユーザーとのOne to Oneコミュニケーションを実現しようとする動きが益々活発化しています。
なお、ライフエスコートではソーシャルログイン機能の導入から、サイトの利用者数アップやコンバージョン率向上についてお手伝いさせていただきます。
ぜひこの機会にご検討してはいかがでしょうか。
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